◆涙のクリスマスイブ

あれは10年以上も前の話です。

サラリーマン辞めて3度目の冬。仕事を求めて営業に歩いていたのですがなかなかうまく行かず、同じように事業はじめた知人と一緒に都内をさまよっていました。

気が付くと銀座の華やかな夕暮れ時。

クリスマスイブで街はカップルや家族連ればかりで、みな幸せそうでした。それに比べて私のなんとみすぼらしいことか!

仕事もない、お金もない、おまけに彼女もいないときた。

銀座の松屋の前あたりで知人が「今日はもう帰ろうよ。なんだか虚しくなっちゃったよ。俺は有楽町からJRで帰るから、じゃあね」

こうして一人ぼっちで銀座線の駅に向かいましたが、気が付くと涙が溢れだして止まりません。あまりにもみじめな自分が本当にイヤでしたから・・・


あれからもう10年以上です。

あの時の情けない恥ずかしい悔しい思いがあるから、頑張ってこれたのかな?とか思ったりします。むろんまだまだですけど、とりあえず生きていけるだけの仕事は続いていますからね。

貴重な経験だっと思いたいところですが、あんな思いは二度とゴメンです。忘れられない思い出ではありますがね。